安定だけ求めて公務員を目指しても幸せにはなれない

腕組みする公務員の男

あなたは自分の将来に対して不安を感じていますか?できれば、安定した仕事について、安定した日々を送りたいと考えていますか?

そのためのベストな選択肢として公務員。公務員になって平穏無事に人生を送りたい。

そんなあなただからこそ、この話は知っておいて損がありません。ぜひ、このこの記事を読んでみてください。

「クビにならない」強み

まずはじめに、公務員=安定の象徴であり、おまけに、20代の婚活市場においては、公務員は非常にモテます。

公務員の給料は安いというイメージとは裏腹に、民間の平均給与が下がっている現状、決して公務員の給与は安いわけではありません。

おまけに、何より違うのが、よほどのことがない限り、クビにならないということ。

この事実は、少しでも社会経験を積んでいる方なら、クビにならないということがどれくらい大きな意味を持っているか、容易に想像ができるはずです。

基本的に仕事ができなくても安心。実際のところ、一発でクビになるようなことはまれ。

実名報道されるくらいの触法行為をしないかぎりは、公務員をクビになることはありません。

公務員なら給料以上にメリットあり

それともう1つ重要なのが、その保障制度。

公務員の労働保障は日本においてトップクラスの充実度を誇ります。病気になっても休める。長期休養になってもクビにならない。

そして何より最強なのが育休制度。民間の育休はせいぜい1年で、実際1年まるごと育休を利用する人が当たり前の時代ではありません。

ところが、公務員の場合は育休は3年可能。そのあいだは、もらって育児も可能。

そして私の身近で知っている例では、この育休の制度をフル活用して、3年おきに3人産んで9年の育休を取った人の話を聞いています。

控えめに言っても、こんな話は民間ではありえません。

だから公務員は安定する

このページでは、このような制度上の特典を批判する意図はありません。

ただ、そういう制度がある以上、それを利用するのは極めて賢い、という話です。

この意味で、公務員は実際の給料以上に恵まれているという現実があるのもまた、否定できない事実です。

給与は言われているほど低くない。よほどのことを起こさない限りクビにならない。育休などの制度も整い、そして共済で年金も安心。

人生に安定を求めるなら公務員になれ。そう言われるのも自然なほど、公務員は恵まれています。

だからこそ、あなたが人生何があろうと計画的な設計のもと、人生を送りたい。そう願うなら、公務員を目指す価値はあります。

安定と幸せはイコールではない!

ところが。

人生悲しいかな、安定している人生が必ずしも幸せとは限りません。

ここまでさんざん、公務員のことを持ち上げてきましたが、人生何もかもハッピーな仕事は存在しません。

公務員にも公務員のダークサイドがあります。

それは、私自身、教育系の公務員を目指して準公務員を経験して現場を見たこと。親族が公務員一家であること。そこから目の当たりにしたこと。

そこからは、公務員人生を選ぶことが必ずしも安定した幸福な人生とは限らない事実が見えてきます。

若い世代の公務員は優秀な人ばかり

今の時代、公務員を目指す方は、控えめに言っても、とても優秀な人が多いのだと思います。勉強ができ、学歴もある人が少なくない。

そして実際、そういう真面目で優秀な方が、地方公務員になって、役所勤めの生活を送っています。

私も時折役所に行くといつも思いますが、20代から30代の若い公務員の人の対応は本当に丁寧です。

奥の席でふんぞり返っている方もいますが、窓口で対応する臨時の方を含め、若手の公務員の偉そうな方はほぼ皆無と言っていいほど稀です。

「税金泥棒」と理不尽に罵倒される日々

しかしそんな、難しい試験を突破して公務員になった優秀な人がまず驚くのは、言葉は悪いですが、「世の中には本当にク○みたいな人間が存在している」という発見です。

ろくに税金は払っていない。

しかし文句だけは一人前で義務を果たさず権利だけを主張。公務員を目の敵にして罵詈雑言。二言目には「お前ら公務員は誰のおかげで飯を食ってんだ」的な態度。

あの手の人種を目の前にして、日々冷静に仕事をこなしていくのは、相当な苦痛をともないます。

私も忘れはしません。

人生に安定を求め、教員として食っていこうと考えていた若き頃。期限付きの公務員として某公立校に派遣され、そこで目の当たりにした地獄の日々を。

生徒は言わずもがな、生活保護を受けているとある家庭の保護者に言われた罵倒の言葉を、今でも鮮明に覚えています。

確かに公務員は全体の奉仕者だ

公務員とはどのような存在なのか。何を果たすべき存在なのか。日本国憲法15条では、次のように書かれています。

公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

つまり、公務員である以上、仕事で関わる市民に対して横柄な振る舞いをすることはもちろん、安易な反論は自分のクビをしめることになります。

いつでもどんなときでも、「お前らはワシらの税金で飯を食っとるんだぞ」という圧力を受けるのはある意味必然。

真摯に職務に励む必要があるわけですが、公務員もやはり一人の人間。納得のいかないことも、やはりあります。

私の場合は、先の経験によって公務員として生きていくのは不向きであることを早急に自覚したので足を洗いましたが、公務員として働けばそう。

退職するまで、理不尽な葛藤を乗り越える必要があります。

つまり納得できない状況が目の前にあったとしても。どんな人を相手にするとしても。全体の奉仕者たることを忘れてはいけないのです。

公務員は村社会

それと、もう1つ。

これは特に地方において顕著なのですが、田舎の公務員は完全に村社会です。

例えば、私の母方の田舎の役場では、どうみてもコネとしか思えないような仕組みで、公務員の採用が決まっているような結果です。

つまり、役場の皆は知り合いの知り合い。がっちりとした人間関係のなかに組み込まれ、その枠から外へ出ることができません。

これは相当に息苦しいです。安定を代償にして、がっちりと自分の自由、生き方を追求するチャンスを捨て、その村社会の一員として組み込まれる。

そうなると、もはや個人としての自分は消え失せ、枠組みのなかの一人物として生きていくしかありません。

そういう生活が向いている人もいるかもしれません。しかしほんの少しでも息苦しさ。疑問を感じるなら、とても退職まではつとまりません。

コネのなかでつながった関係は、切るときもまた、厄介なものです。

最悪なのは公務員同士の人間関係

以上は私が知りうる田舎の公務員の話ですが、都市部の公務員でも、人間関係はいろいろ難しいようです。

クビにならないということは、人間関係が固定化されるということ。

もちろん、人事異動はありますが、気に食わない上司。問題がある上司。そういう人間と接点を持てば、それがずっと尾を引く可能性があります。

例えば某有名私大を卒業した私の友人は、一発で公務員試験に合格。

某政令指定都市の役所で働いていましたが、4年目にしてとある上司にいじめ抜かれてメンタル崩壊で退職。公務員の職場いじめを生々しく教えてくれました。

私も、準公務員として2つの教育現場で働きましたが、役所でも学校でも。公務員のいじめはいろいろエグいです。

わざと必要な資料を渡さない人とか、職務連絡をしない人とか、存在をガン無視する人とか、面倒な仕事を新人に丸投げする人とか。

安定のかわりに失うもの

先に述べたように、公務員の一番の強みは安定です。

クレカは簡単に作れるし、ローンもラクラク組めます。20代なら特に、婚活市場でモテます。

しかし安定しているということは、環境が変わらないということ。環境が変わらない場所はどうしても空気が淀みます。

つまり、環境的に閉鎖的になります。人間関係はその最たるものです。

陰口悪口足の引っ張り合いはまぁどの世界でもあります。しかし、公務員の世界は狭い。ずっと、一つの世界の中で生きていく。

そして、公務員は全体の奉仕者。自分の個性的なやり方で働くのではなく、決められたことを決められた形で遂行していく必要があります。

それを考えると、安定の代償の意味が見えてくることでしょう。

幸せだけ持ち逃げはできない

それともう1点、経済的に安定することが必ずしも幸せなこととは言えません。

あくまで経験則なので、一般化できる話ではないですが、両親が共働き公務員の家庭は、いろいろ問題が多いです。

例えば、父親が市役所勤務。母親が小学校教師で息子と娘という家庭。

年収レベルで1000万を超えており、そして、先祖代々の家持ちなので、超裕福。息子は有名私大卒。娘は地元の国立大卒。

絵に書いたような成功一家のように思えますが、息子は影で妹に乱暴していたり、大学卒業に就職に失敗してニート。

家で引きこもり、家族に暴力を振るうように。今ではどうなっているか知りませんが、こういう、話は結構聞きます。特に教師の家庭で。

まぁ、安定して人生めでたしめでたし。

それを願ったとしてもどこかで、思わぬ形で、「そうは問屋が卸さんぞ」ということになるのかもしれませんね。

最後に

ということで、以上、長々と書いてきましたが、安定を求めて公務員になる。

それはそう単純な話ではありません。むしろ逆説的ですが、安定を求めない生き方こそが逆に安定するのではないか。

この記事を書いていてそのことを感じています。

私も20代、準公務員としていろいろ公務員の世界に足を踏み入れ、普通に生きていれば絶対に関わらない人々と関わる機会を経験。

自分にとってどう生きるのが一番幸せなのかを真剣に考えた結果、誰にも後ろ指を指されず「税金泥棒」と罵倒されない人生を生きています。

一人の納税者として、誠実な道を進んでいますが、だからこそ、安定第一で公務員を目指してもそう話は簡単ではないこと。

つまりは人生、安定より幸せなことがあること。安定を得ることによって失うものがあること。

そういう話です。

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